京都要庵歳時記「篝火の部屋の普請」(4) |
そうして、現実の厳しい壁にぶち当たり、跳ね返されて諦める経営者も多いので、年月が経って、その宿の良さが生まれずに、老朽化が目立って、お客様が離れ、売上が下がり新規の借入れが出来なく悪循環を生み出すケースも多いです。ですから年月が経過してさらに美しくなる宿つくりは、とても難しいと言われる理由はここにあります。しかし、この壁を乗り越えることも可能です。それは壁が大きく分厚くなる前に、乗り越えてしまうことことです。
そのためには、現場でこの宿を、この部屋を、この場所を、さらに良くするためには何が必要か、予算上、新築は出来ないが、何とか少ない予算で改築や普請だったら出来る。そのことを毎日頭に入れて現場も含めていつも考えていましたら不思議と、目の前に光がパア〜〜と明るくなるものです。今回も2階の篝火(かがりび)の部屋を、より一層粋で洒落てお客様が喜んで下さる部屋にするには、どうしたら良いかを2年間考えていました。
(6月6日 要庵 主人書)