
要庵でも、先ず、女将が玄関床軸を小菊童子から『渓流の紅葉』のお軸を飾りました。ガラガラと格子戸を開けて玄関に入られ時、やはり紅葉のお軸が、『あ〜〜、やっぱり、京都の秋やな〜〜。』とお客様が感じて下さればうれしく思います。置物は秋鹿の香炉を置きました。鹿の字を象形文字にして描かれた香炉ですが、とても品があり、よく見ると鹿にだんだんと見えてきます。

今年は紅葉の色付きが遅れた分、要庵に来られるお客様には出来る限り紅葉の気分を感じていただけるように、部屋の床の間も紅葉にふさわしいお軸を掛けています。主人も女将も、仕事で中々紅葉狩りに行くことが出来ないので、11月のひと月だけ床の間の紅葉の掛軸を見て、その気分になり楽しんでいます。

それにしても、例年より10日から2週間ほど紅葉の色づきが遅れています。主人も大学を卒業して家業を継いで30年近くなりますが、こんなことは初めてです。地球温暖化と言われていますが、他人事のことではなく、この温暖化は本当に大きな問題になると身を持って感じはじめて来ました。本当に今から対策しなければとつくづく思います。たった一人の力でも、それが結び付けば大きな力になると思います。
(11月26日 要庵 主人書)