京都要庵歳時記 『新緑の頃の庭の手入れ/久保造園』(1) |
1階の部屋からの眺めだけでしたら、紅葉の葉や梅の枝を剪定して太陽の日差しが多く入るようにすれば良いので簡単です。しかし、昨年の秋に完成した新しい数奇屋の部屋『横笛』と『梅枝』は要庵の庭を借景として造りましたので、庭が部屋の良し悪しを決める大きな要因のひとつになります。
また『横笛』は1階で、『梅枝』は2階です。横笛の部屋から見える庭に木漏れ日を多く入れようと思えば、紅葉や梅の枝を多く、また短く切れば良いです。しかし、主人としては2階の梅枝から見える木々が一枚の絵の様な、つまり窓の木枠が額縁で紅葉や梅の葉が絵になって欲しいので、木々を大きく育てる必要があります。木々が大きくなれば、必然的に1階は暗くなりますね。その相反することを解決しなければなりません。
(5月21日 要庵 主人書)