京都要庵歳時記 『霜月 要庵玄関のしつらい』(2)椿と萩 |
風知草とススキにかわりに、晩秋から冬を代表する花、椿を飾りました。花付きがとても良い乙女椿と品を感じる白玉椿です。乙女椿の花の蕾は毎秋とても良く出来るので、主人としては安心して育てられます。植木屋さんから教えてもらったのですが、同じ箇所にふたつついた蕾は栄養が両方にいき、そのままでしたらふたつとも花が咲かないことが多いので、必ずどちらかの蕾を取り、栄養がひとつに集中するようにします。
植物から教えてもらうことは多く、これを人間の欲や事業に例えると同じことが言えます。欲が多くあったり、やりたいことを多く持っていても分散して結局はひとつも達成出来なかったり、手元になかったりするのではないでしょうか。毎秋、乙女椿の蕾を取りながら主人の心に刻みます。一方、白玉椿は品がありますが、蕾を付けるのがとても難しいです。今年はおかげさまで七つの蕾が付き、冬に開花しますので、今から楽しみです。
(11月1日 要庵 主人書)