京都要庵歳時記 『平成26年 初秋、少し早いか、玄関の室礼』 秋の七草・萩とススキ 3 |
何事にも心を込めて
萩を美しく剪定し6本のヒモで吊るして柔らかい枝を立たせ形良くします。自宅で
育て要庵西冨家に運んだ時と見違える美しさなりました。草木も手入れをすれば、
人間や動物同様に美しくなります。ところで、鉢植えで育てていますので、枝や
葉は良く育ちますが、葉ばかりに栄養が行き、花蕾が育たないこともありますので、
思い切って剪定して鉢植えの許容量までに収める必要があります。コンパクトに
まとめることにより栄養が隅々まで届くようにして、花蕾が多く付くようにします。
勇気を持って根元から枝を剪定していきます。
地球温暖化
お客様に1日でも早く初秋を感じていただくために、心を鬼にして風知草を片づけ
萩を飾りましたが、実際に可憐な花を咲き始めるのはいつごろでしょうか?
萩も地球温暖化の影響で年々、花が咲くのが送れ、紅葉にいたっては10年前と
比べて10日以上遅れています。暦だけが進みますが、自然界では温暖化の影響で
色々な現象が起きているのも事実です。平成26年の夏・8月の各地の豪雨を
TVで見ると雨ではなく熱帯のスコ-ルです。
ひとつづつ・1本づつ
さて、萩は9月下旬・10月初旬には咲きますので今から楽しみですが、秋の七草の
ススキは先月から飾っていますが、先月同様に全ての穂先を丁寧にカットします。
この手仕事も邪魔くさい仕事ですが、愛情をかければかけるほどススキも輝き、
女将と叔母と主人の3人で1本づつ丁寧にカットしていきます。終われば叔母がホウキで
掃きますが結構な量になりますね。
紫式部も待っています。
まだまだ残暑が厳しいですが、朝夕は涼しくなり、思い切ってお盆が過ぎた時に、
初秋の玄関の室礼をおこない手入れをしましたが、自然と秋を感じるのは不思議です。
う~ん、不思議ではなく自然の素晴らしさで(笑い)、要庵西富家のお客様に少しでも
秋を感じていただければ嬉しく思います。紫式部の草木もまだか?まだか?と出番を
待っています。ススキも穂が出てきたらら、更に秋の情緒を感じます。
うれしい悩みですね。
(平成26年8月22日 要庵西冨家 主人書)