京都要庵歳時記 『平成25年 霜月の玄関の室礼』 柚子と乙女椿 2 |
主人VS蝶のさなぎ
主人の愛情を込め3年かけて復活した柚子は平成25年は立派な実を付けま
したが、柚子の大敵は蝶のさなぎです。柚子の新葉をさなぎが食べまくります。
放っておくと禿げ山のような葉の無い柚子になり、花も咲かず、もちろん実も
出来ません。また性質が悪いのは、蛾の幼虫の毛虫でしたらキモチワルイので
さっさと殺しますが、美しいアゲハ蝶のさなぎなので中々殺すことが出来ません。
ですから、見つけては殺さず、枯葉を入れるナイロン袋に入れるだけにします。
草木の美容室
柚子を要庵西冨家の玄関に飾る時は、蝶のさなぎに無残にも食べられた葉や
食べ尽くされて枝だけになった所をススキの全ての穂先と同じように、丁寧に
1枚づつ剪定いたします。女性が美容室に行って来たように柚子も見違えるように
美しくなり、主人も飾り甲斐があります。
花の美しさを保つコツ
紫式部と同じようにススキも松風の部屋の外の青竹に活けますので、無残に刈るので
はなく、根元から丁寧に切って束にして飾ります。生花店で買った花では無く自然に
育てた花ですので、個性があり躍動感を感じますので、活けるのが楽しみです。
ところで、乙女椿も枯れた葉が所々に見当たりますので、取り除き綺麗に仕上げます。
乙女椿は可愛らしい小さな花が蕾から咲き始めた時が一番美しいので、満開になれば
主人が摘みます。それが美しさを保つコツです。
(9月から10月末まで要庵歳時記を紹介出来なかったこと、申し訳ありません。)
(平成25年11月12日 要庵 主人書)