京都要庵歳時記 『月次の懐石・献立会議』 理を料る |
北大路魯山人
北大路魯山人が言うには『料理とは理を料る』ことであると。
単純においしいだけではない。素材を切ったり火を通じて、美味しい品を作るだけでは
ない。なぜそうするのか?、それ以上出来ることはないのか?、そうすることが本当に
正しいのか?、絶えず自己問答して、明確な考えを持ってつきつめる『理』がなければ
料理ではないと言っています。
伝統・挑戦・創造
昔からのレシピはこうだったので・今まで通りで・この季節にはこの食材を使うこと・・・と
言い伝えられてることが京都には多くあります。しかし、その先人からの言い伝えは、
知恵かもしれません。色々な経験の中から生まれた素晴らしいことです。しかし、その枠
から出ることに挑戦することも大切です。そして挑戦することによって枠を拡げていけば
良いです。大きくなると器量も大きくなり、創造する能力も生まれます。昔からの伝統を
大切にしながらも、それに縛られることなく挑戦し、そして自分の料理のオリジナルを
見出します。要庵西冨家の料理は考え・作り・試食・反省・修正・考え・作り・試食を繰り返し
作り上げていきます。
24時間365日
このことは料理だけの話ではなく、芸術・スポ-ツ・建築・医学全てに言えると主人は考えて
います。先ずは大切なことは今までの惰性に関して疑問を持つことです。そしてその疑問に
対して具体的にチャレンジして行動すれば、失敗してもまた挑戦すれば良いです。
要庵西冨家では何事もその心を持って行動しています。もちろん毎月のお料理も同様です。
献立に関しても、お料理を飾る器に関しても、北大路魯山人は言っています『料理と器は
夫婦のような関係である。』、夫婦関係は大切にしなければなりませんので(笑い)、
一つの料理に関して器も数種類盛り込み最善の器を選びます。もちろん料理に関して、
ですから本当に24時間365日考えたことを具体的に行動します。
(平成25年6月14日 要庵 主人書)