
恵比寿神社では、8日の前夜祭の餅つきに更に宮川町の芸子さんが飾りつけて、かごに乗って大勢参拝を行ないます。「ほえかご、ほい!!。」と威勢良い掛け声でまわる姿は景気良さを感じさせてくれ、10日には初えびす大祭の式典があり、11日には祇園町と宮川町の舞妓さんによる福餅の授与も行なわれます「えべっさん」のいわれは、もとは京都・えびす神社独自の祭礼であった「えびす講」ですが、江戸時代初期になると日本全国に広がりをみせました。

その理由は呉服を中心とした京・近江の商人の「渡り商い」によります。彼らは、江戸を中心に全国で商いをしておりましたが、旧暦の9月20日の頃に京に戻り「えびす神」に旅の無事と商売繁盛のお礼参りをしていました。年末・年始を故郷の京都や近江で過ごし、商いの準備をして、1月の「十日えびす」に神社へ無事と商売繁盛を祈願し、旅に出向いたと言われています。京都独自の風習であったものが、全国に広がり、それぞれの土地の風習と融合し、今日各地で行われる「えびす講」となったと言われています。

現在でも京都の呉服商をはじめ老舗の店などでは、この風習を守り、家内に「えびす神」像を奉り、「えびす講」をお参りをしています。その京都・えびす神社は、西宮・戎神社、大阪・今宮神社と並んで日本三大えびすといわれ、「えべっさん」の名で親しまれています初えびすさんの期間中、5日間で数十万人の人の参拝があり非常に賑わい、主人も女将も毎年、商売繁盛を祈願して伺います。以前は、夜に伺い、帰りに美味しいお酒を一杯が楽しみで行っていましたが、えべっさんの頃は京都は毎年とても冷え込みますので、最近はお昼に行きます。
(平成23年 正月13日 要庵 主人書)