京都要庵歳時記 「平成20年師走恒例 竹村洗い屋さん(客室ひのき風呂)」(2) |
汚れ方の度合いや、年月での木の具合が全て違うので、長年の経験が必要になってきます。何事も一生勉強ですね。それにしても、竹村さんと職人の方が、パブリックの浴室よりは余り広くないひのきの浴室で、身体を縮じめながら一生懸命、丁寧に丁寧に仕事を行ないます。要庵のひのき風呂の扉も木戸ですので、止め具のネジを外して木の扉の洗いも行なわれます。
ひのき風呂の洗いをせずに放っておけば、汚れが取れなくなり木材を取替えなければなりません。ですから、事前に対処する方が、絶えず綺麗で費用も安くつきます。出来上がりを見てみますと惚れ惚れするくらい汚れが取れて白くなります。まるで自分の心が洗われるような気持ちになりますね。洗い屋さんの仕事は浴室だけでなく、部屋の本間や玄関や木材を使っている全てに「洗い」が出来ます。しかし今では、時代の流れや変化とともに「洗い屋さん」も自然に淘汰されます。寂しい限りです・・・。
(12月22日 要庵 主人書)