京都要庵歳時記「要庵の草木染暖簾に見る季節の移り」(2) |
「大文字山の送り火と仲秋の名月」が決まれば、あとはデザインを作っていきます。暖簾を見ていただければ分かると思いますが、「大」が書かれた山は大文字山、そして横の少し高い山が比叡山を表しています。さらに月を名月にしました。月の大きさを大小色々と考えましたが、草木染作家の加納さんと相談して大きな月にしました。最終的な細やかな線や色彩は信頼している加納さんにお願いします。今でも、主人のお気に入りに出来あがってうれしいです。
ところで、「二カ月間吊った暖簾はどのようにするのか?。」と思われますが、せっかく飾った暖簾なので、メインの暖簾は二階の畳廊下の場所に移します。そして、その場所に吊っていた暖簾は一階の畳廊下に移します。つまり、メイン⇒二階畳廊下⇒一階畳廊下と、二カ月X三場所=六カ月の間、飾られます。その後は綺麗にクリーニングして保管。飾る時もいがんでいたら不細工なので、女将と主人で位置を確認しあって吊ります。たかが、暖簾ですが、要庵にとっては、とてもとても大切な暖簾ですね。
(8月18日 要庵 主人書)