京都要庵歳時記 『第12回 春の近代絵画作品展』(1) |
床の間に掛け軸を掛けるのは約束事です。額ではちょっとですね、、、。日本の飛鳥時代に仏画として入ってきたらしい掛け軸は、中国では「掛けて拝する」礼拝用という意味合いが強かったそうです。鎌倉時代後期、禅宗の影響で水墨画が流行したのにあわせ、掛け軸も流行。掛け軸は「掛けて拝する」仏教画の世界から、花鳥風月の水墨画など独立した芸術品をさらによく見せる補完品として発達していきました。
室町時代、以降「茶の湯」の席で座敷の「床の間」にも水墨画の掛軸が多く見られるようになりました。千利休が掛軸の重要性を言葉にするようになると、茶を愛する人達により掛軸が爆発的に流行するようになり、来客者、季節、昼夜の時間を考量して掛軸を取り替える習慣が生まれました。来賓時その場面の格式などを掛軸で表現することが重要視される考え方も生まれました。ですから床の間に額ではなく掛軸を飾るのは当たり前のことになります。
『春の近代絵画作品展』
■会期/2007年4月21日(土)〜5月5日(土)
午前10時から午後6時まで[会期中無休]
■会場/ギャラリ−鉄斎堂
京都市東山区新門前通東大路西入る
電話.075−531-6164
http://www.tessaido.co.jp/
(4月13日 要庵 主人書)