京都要庵歳時記 『師走恒例 竹村洗い屋さん(客室ひのき風呂)』(2) |
宿泊の多い、よく使う部屋の方が汚れが多いのは当然ですが、各部屋によって汚れの具合の違いがもありますので、本当は毎年行なうのがベストですが、約1年から3年ごとに行なっているのが現状です。要庵のお掃除のスタッフが部屋のひのき風呂を利用した後に、必ずお風呂を洗い、掃除しますが、それでも2〜3年に1度は必ず洗い屋さんにお願いしなければ木の汚れは取れません。
人間の脂は浴室の隠れた所まで湯気で付きます。この脂がとてもしつこく、先ずはこの脂を細かいペーパーをかけたり、ヤスリなどで取ります。人間の脂を取った後に本格的に洗いが始まります。昔は桟俵(サンタワラ・お米を入れる俵)を燃やして灰にして、その灰を袋の中に入れ、鍋の中のお湯に灰袋を入れ、沸騰して袋からポトポト落ちる『灰汁』を使って、汚れを幾種類の道具で洗っていました。
(12月20日 要庵 主人書)