京都要庵歳時記 『仲秋の名月の室礼』 |
平成26年 仲秋の名月は?
今年の中秋の名月は9月8日です。意外と早い日程ですね。
例年は中旬か下旬ですが、9月9日の重陽の節句ですので、その前に中秋の名月
があるのは主人は珍しく感じます。その名月を観て楽しむのは21世紀の時代
よりも、その昔・平安時代は秋の一大イベントだったと主人は思います。
夏が終わり、初秋の風を感じるようになり、美しい中秋の満月を心から楽しんだ
ことと思います。
洛中・洛北・洛西・洛東で観賞会
そして、昔の人が楽しんだ中秋の名月の観賞会を今でも『観月の夕べ』として
数多くの名所・名刹で催されています。例えば
洛西
● 大覚寺・大沢池『観月の夕べ』
平安より続く大覚寺観月の夕べは龍頭鵜首舟を大沢池に浮かべ、水面に映った
月を愛でます。
洛北
● 上賀茂神社『賀茂観月祭』
馬場殿での神事の後、様々な奉納行事が行われます。月見団子も食べられます。
洛中
● 下賀茂神社 『名月管弦祭』
橋殿では、神事の後、舞楽、管弦、平安貴族舞、琴の奉納がおこなわれ、楽人は
古式ゆかしい平安装飾を身につけて奉楽します。
● 北野天満宮 『明月祭・芋名月』
ずいきや里芋、月見団子などを供えて名月を観賞することから別名『芋名月』とも
呼ばれています。
洛東
● 八坂神社 『祇園杜観月祭』
舞殿にて祇園杜観月祭が行われ、舞楽や茸曲などのさまざまな奉納行事もあります。
● 智積院 『観月会』
僧侶による声明公園・月輪観(瞑想体験)とお月見コンサ-トの2部構成で行われます。
要庵西冨家でも
上記以外でも京都市内では数多くの催しがおこなわれます。
要庵西冨家でもお客様に京都の中秋の名月を感じていただくために室礼をしますが、
先ずは玄関の床間に雪佳さんの月見の掛軸を飾り、その描かれた月を夫婦の兎(うさぎ)
が更に見ているような描写をイメ-ジしています。普通はうさぎの置物を正面に
飾りますが(笑い)、お客様は何で兎は後ろ向いているのだろう~??と思いますね。
玄関床間をはじめそれおぞれの箇所に中秋の名月をあらわす掛軸・額・品を飾ります。
ところで兎・うさぎといえば10月に京都国立博物館で鳥獣戯画・高台寺展が開催
されますが、この展示会は楽しみですね。また要庵歳時記で紹介させていただきます。
秋の京都で是非、京都国立博物館に伺ってください。鳥獣戯画は人気がありますね。
(平成26年 9月16日 要庵主人書)