京都要庵歳時記 『平成26年8月夏の玄関の室礼』 風知草とススキの剪定 |
磨き終われば・・・
7月から飾っていました風知草やススキの剪定です。
ところで、ここ3年ほど夏にシャト-マルゴ-の葡萄の木を飾っていました。
昨年は女将や主人、叔母をはじめ多くの人が驚くくらいのたくさんの実が
育ち、晩秋にはその葡萄を要庵西冨家の玄関・床の間に大切に飾ったくらいです。
しかし、植木鉢で育てているので限界があり、今年は1房も実りません。
実は花が咲かなければ出来ませんので、その花が咲きませんでした。
予想はしていたのですが、1房も出来ないのは残念結果ですが、主人が
考えるには、昨年に多くの養分を吸い取った(使った)結果だと思います。
昨年・8月の要庵歳時記では
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それぞれの位置関係を女将と主人がチェックして向きを決めます。それにしても
シャト-マルゴの葡萄は大きく成長しましたね。何回も剪定してこの大きさで、
剪定しなければ上に上にいくらでも伸びます。これくらい成長すれば本当に
値打ちがあります。但し、どうしても鉢で育てていますので、限度がありますので、
剪定して成長を止める必要があります。剪定する時は、何とも言えない寂しい
気持ちになりますが、密度(品質)を高めるためと心に思い切っていきます。
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本当に1年でエライ違いですね。枯れてはいないので、来年はどうなりますか?。
草木の美容師
ススキは1本づつ剪定しますが、この作業も気の遠くなる手仕事です。
また朝日の方向にススキが成長しますので、全体的に前傾斜に育っています。
茎を垂直に、真直ぐにすることは出来ないので、前傾斜のススキの穂先を
短く剪定する必要があります。先ずは穂先の変色した葉を全てハサミで
剪定して、そして真直ぐになるように更に短く切っていいきます。
同様に、根もとの変色した葉や皮も綺麗に剪定して取り除きます。
涼しげな雰囲気を
ススキが終われば風知草も穂先と根元から変色した茎を剪定して美しくします。
まさしく草木の美容師ですね。ですが、細やかでメンドクサイ手仕事ですが、
ひと月ごとに手入れをするか、しないかで本当に違ってきます。
おかげさまで、蚊に刺されることなく、熱中症になることなく、無事に文月・
玄関の室礼も無事に終わりました。夏の綺麗な花を飾るのも良いですが、
風になびく風知草を見るのも、涼しげな雰囲気を与えてくれます。今年の8月上旬は
暑いですが、京都は8月16日大文字の送りが過ぎれば、初秋の風が吹きます。
(平成26年 8月8日 要庵主人書)