京都要庵歳時記 『早春の香り 蝋梅』 2 |
花切りハサミではなく
大親友がトヨタのアルファ-ドで運んでくれた素晴らしい蝋梅を主人は玄関に活けます。
しかし、活けるまでが一仕事・ふた仕事をする必要があります。なぜなら、このまま
蝋梅を壺に入れることが出来ません。自然豊かに育った蝋梅ですので、幹も太いので
花切りハサミでは切れません。鋸(ノコギリ)で切って短くします。また壺の中で引っか
からないように、花切りハサミでは切れない中途半端な幹や枝ノコギリでを思い切って
剪定しますが、枝先が眼を突かないように必ず眼鏡をして保護します。
実がポロポロと
蝋梅の木々がとても大きく、量も多く感じましたがが整理が終えた時は
『え~~意外と少なくなった?。』と感じます。処分した木々も少なくはないです。
また蝋梅の黄金色の実が少し触るとポロポロ落ちます。落ちた実をホウキで掃くのも
ひと苦労です(笑い)。実が落ちないように優しく優しく丁寧に丁寧に、気をつけながら
壺に活けやすいように形を作って行きます。更に枝先に蝋梅の実が付いていない
枝も少なくはないので、バシバシと切っていきます。ようやく蝋梅の木が形良くなり
壺に活けることが出来ます。
お楽しみはこれから
さあ~壺に活けますが、一番大きな蝋梅の木をドン~と入れ、次々と他の蝋梅の
木を活けて、大きな蝋梅が倒れないように支えます。蝋梅の木と木が当たる度に
大切な蝋梅の実がまた落ちていきますので、活ける時も優しく気をつけます。
ようやく全ての木や枝を活けることが出来ますが、ガラガラと扉を開けた玄関
ですので、限られた空間に活けます。照明も明るくはないので、枝先がお客様に
当たらないよう少し枝先を切って整えます。素晴らしい蝋梅ですので、開花する
頃には早春の甘い香りがしますので、今から楽しみです。
(平成26年1月22日 要庵 主人書)