京都要庵歳時記 『新年を迎えるためのお正月飾り 餅花』 2 |
餅花用の専用オリジナル花入れ
本数が少なければ貧弱で、まだ飾らない方がマシなので、思い切って石戸花屋さん
に注文します。その餅花の量は、床の柱に掛けている花器では支えられないので、
要庵西富家の竹器をお願いしている竹半さんに餅花用に青竹の幹の上部に2箇所
穴を開けて、特別に作っていただきます。適当に挿したらよいのではなく、長さを
調整するために餅花1本づつ根を花切ハサミで切て長短を調整します。
飾るのは見た目よりも難しく、せっかく付いた餅花を落とさず、しだれ桜のように
美しくなるよう、主人と女将で気をつけて活けていきます(難しい作業です)。
『○』
長短・左右とバランスを気を付けながら餅花を1本づつ丁寧に入れていきます。
どうしても長く床につく餅花も出てきますが、その長い餅花は枝先でクルリと『○』の
円が描かれるように括り、目立たないように隠し糸で括って留ます。その5本の
『○』の餅花が小粋で色気があり、良い塩梅を醸し出します。ちょっとしたひと工夫で
格段に良い味が出ますので、面倒な飾り付けも出来上がったことを考えれば
楽しくなりますね。
有効期限?
餅花は、本来、お正月飾りなので1月15日の幕の内が過ぎれば外すのが約束事ですが、
とてもきれいなので、要庵西冨家では春まで飾りますので楽しみにしてください。
その年によって違いますが、早ければ2月末、遅い時には桜が散り、新緑が美しい
4月20日頃に外して片づける時もあります。餅花だけでなく新年を祝う青竹がより一層、
お正月らしさを演出しまが、餅花を取った後も青竹に季節の花を活けて要庵西冨家の
玄関床間の小粋な雰囲気をお客様に楽しんでいただきます。
(高い餅花ですので、原価償却しなければなりません(笑い)。
(平成26年1月10日 要庵 主人書)