京都要庵歳時記 『平成25年3月 弥生の玄関室礼』 海棠桜・白梅・雪ヤナギ 2 |
海棠桜をなぜ3月1日飾るか?花が咲き始めてからでも良いのですが、
理由は2つあります。最初の理由は、海棠桜の一番美しい時が蕾が
だんだんと膨らんできて咲く直前が一番美しく可憐です。桜が『もうすぐ
咲きますよ~~。』と言っている時が、イイ塩梅ですね。満開の時が
美しい花は多いですが、春の花は咲く直前が主人は一番好きです。
正直に言いまして桜も梅も葉は余り美しくないので、蕾から開花の
瞬間が、その時・日は短いですが・・・、そしてそのひと時に1年の月日が
かかります。
モッタイナイ
2つ目は、蕾が大きくなれば要庵西冨家に運ぶ時にどうしても蕾が
壁に当たって落下したり、枝が折れますので、まだ小さい時に運ぶ
方が得策です。1年間かけて大切に育てた海棠桜の蕾は、今年は
少し付き方が悪いような気がしますが、今はほんの小さな蕾ですが、
これから膨らんで育つのが楽しみです。同じように雪ヤナギは海棠
桜以上に咲くまでが美しいです。咲いた白い花も春らしく華やかで
良いですが、咲き過ぎて重たくなり、葉も美しくないので、咲き始め
たらモッタイナイ気もしますが直ぐに片付けます。
コントラスト
友人が1月末に蝋梅を、2月末に白梅をプレゼントしてくれましたので、
大切に飾ります。先ず白梅を飾りますが、約10本の梅の枝を持って
きてくれました白梅を1本づつ大小、梅の蕾の付き方で区別して無駄な
枝を剪定し、幹をノコギリで切って長さを調整(コントラスト)します。
この手仕事によって更に、一まわり、2まわりほど小さくなりますが、
逆に白梅の木が生き生きとします。壺にも活けることが出来ます。
最初の状態では壺に活けるのは難しく、活けても美しくないですね。
何事も細やかな手仕事が非常に大切になります。
パソコンを新しく設営いたしましたので、12月中旬~1月末まで
要庵歳時記を紹介出来なかったこと申しわけありません・・・・・。)
(平成25年 3月4日 要庵西冨家 主人書)