京都要庵歳時記 『夏のお使い物 中村軒』 |
中村軒は桂離宮の南側にあり店の構えからも分かるように旧山陰街道に二頭立ての馬車が走っていた明治16年に初代中村由松さんが店を開きました。今日まで旧久邇宮の御用を拝命したり、天皇皇后の両陛下の献上菓子として名高いですが、創業当時から守り続けている『懐かしい昔の味、あっさりとした美味しさ』を基礎にお菓子つくりを続けておられる真摯な姿勢には主人も女将も学ばさせて頂くことが多いです。
本当に全てのお菓子が美味しいですが、商品登録された麦代餅を筆頭に春のよもぎだんご・夏の鉾ちまき・秋は昔風味の月見団子に栗むし羊羹、更に栗赤飯・冬は水尾地区(高雄の奥)の柚子をたっぷり使った水尾等、、あっ、、定番のかつら饅頭ときんつばも外せません。店内には茶店もあり、春から夏はカキ氷やわらび餅、秋から冬はおぜんざいにあべかわ餅等も頂くことが出来ます。市内から桂まで行かなければなりませんが、その苦労も忘れるくらいの美味しい和菓子です。
(7月22日 要庵 主人拝)