京都要庵歳時記 「平成21年師走恒例 竹村洗い屋さん(客室ひのき風呂)」 (1) |
しかしひのき風呂の掃除や手入れはそのようにはいきません。人間の脂は浴室の隠れた所まで湯気で付きます。この脂がとてもしつこく、汚れの原因になります。要庵のお掃除のスタッフが部屋のひのき風呂を利用した後に、必ずお風呂を洗い、掃除しますが、それでも2~3年に1度は必ず洗い屋さんにお願いしなければ木の汚れは取れません。要庵では毎年行なうのがベストなので、4年前から毎年「洗い」を専門家の竹村さんにお願いしています。
先ずはこの脂を細かいペパ-をかけたり、ヤスリなどで取ります。人間の脂を取った後に本格的に洗いが始まります。昔は桟俵(サンタワラ・お米を入れる俵)を燃やして灰にして、その灰を袋の中に入れ、鍋の中のお湯に灰袋を入れ、沸騰して袋からポトポト落ちる「灰汁」を使って、汚れを幾種類の道具で洗います。灰汁の次は苛性ソ-ダ-を使い、その効果によって、木の汚れが浮いてきます。その汚れを、「ささらゆう竹」の手ほうきで洗って落とします。
(12月23日 要庵 主人書)