京都要庵歳時記「障子や鴨居の新しい室礼」伊達建具さん(1) |
その数寄屋に於いて、京都では先ずは主座敷、つまり本間の床の間の柱がものを言います。主要な柱にそっと触れますと「この柱木は生きている・・・。」と、感じます。細密な配慮で何気ない形に仕上げてある木々が数寄屋つくりの空間の気品を生み、過ごす人にも凛とした気概や安らぎをもたらしますね。
数寄屋に於きまして木は大切な命でありますが、木々だけではありません。お部屋を構成している建具や畳、そして、外部の庭との関係もとてもとても重要です。庭は久保造園さんをはじめ、主人自らが手入れをおこない、主人好みにしていきます。しかし、建具は自分で作ることは出来ません。それで、お客様が喜んでくださるように主人も考え、意匠を作りますが、その時にお世話になるのが、伊達建具さんです。
(11月18日 要庵 主人書)